理学療法士のパラスポブログ

障がい者スポーツを通してより良い社会の実現を!理学療法士に何ができるか考えます。理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/クラシファイヤー

英語を勉強するならKindleがおすすめ!

こんにちは。

国際クラシファイア(クラス分け委員)を目指すにあたり、やはり課題となるのが、

英語!!!

特に理学療法士はまだまだ英語が苦手な人が多い印象です。

スピードラーニングもいいかもしれませんが、やはり必要なのは、英語に触れる機会を多くすること。

習うより慣れろ

ですね。

私個人としては

・通勤中にPodcastBBC World News(https://www.bbc.co.uk/programmes/p02nq0gn/episodes/downloads)を聞く

・英語の本と論文を毎日読む

を習慣にしています。

どうしてもiPhoneをいじってるとSNSやゲームのアイコンを押しがちですが、読書もiPhone(もしくはiPad)で。

メンタリストDaigoさんの動画を参考に。


普通に読むより頭に残る!スマホ読書術

 

でも、スマホ読書で英語の本読んでても分からない単語が出てきたら、別の辞書アプリを立ち上げて調べたりするのってめんどくさいですよね。

 

そこでおすすめなのが、

Kindleアプリ

https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page

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Kindleで読むとこんな感じ。

分からないなぁ、と思った単語が出てきたら、長押しするだけ!

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長押しするだけで「プログレッシブ英和中辞典」で検索してくれます。

ウィキペディア」も一緒に調べられます。

今までiPhoneのBooksアプリで読書をして、調べ物は別アプリを立ち上げて調べてましたが、Kindleに変えてから断然早い!!!

しかもハイライトしておけば上のノートアイコンから一覧で見れます。

 

便利すぎて、手放せなくなりました。

ちなみに、現在読んでいる「Factfulness ファクトフルネス」は

(日本語版)

単行本 1,980円

Kindle版 1,782円

(英語版)

ペーパーバック 1,505円

Kindle版 655円

 

と英語&Kindleで読めば破格の安さです。

一緒に苦手を克服しましょう!

ブログ更新!

久しぶりのブログ更新です。

ずっとTwitter中心にパラリンピック開幕式まで「あと500日」の日から(ほぼ)毎日、何かしら書き続け、あと「257日」まで来ました。

でももっといろんなことを書きたくなったので、やはりブログも更新します!

アフリカ・パラ競技大会

アフリカでの初めてのパラ競技大会の開催が決まりました!

https://www.paralympic.org/news/all-set-first-african-para-games?fbclid=IwAR2BlbAYhxv5s34dMVoRIF9t2rmMoscDMiRhobp2qFSUAZ-lUuSsrZye5nQ

 

2020年にモロッコの首都ラバトで1,200名のアスリートが集まり、

陸上ブラインドサッカーゴールボールパワーリフティングシッティングバレーテコンドー車いすバスケットボールの7種目が行われます。

IOC公認のアフリカ競技大会は1965年から開催されているようですが、パラスポーツ版アフリカ競技大会もついに開催されることになったようです。

 

昨日紹介した本を読んだ後に、アフリカや中東地域のパラリンピック・アスリートを取り巻く環境について知りたいと思っていたところでした。

 

これはアフリカ大陸の障がい者にとって大きな変化だと思いますし、こういったパラリンピック・ムーブメントを通して、社会が変わるきっかけとなることを願っています。

 

車いすラグビーが種目に入っていないのが本当に残念ですが!!!

Yusra Mardini "Butterfly" ユスラ・マルディニ 「バタフライ」

結構時間がかかってしまいましたが、

ユスラ・マルディニさんの「バタフライ」を読み終えました。 

Butterfly: From Refugee to Olympian - My Story of Rescue, Hope, and Triumph (International Edition)

Butterfly: From Refugee to Olympian - My Story of Rescue, Hope, and Triumph (International Edition)

 

日本語版も出るってどこかに書いてありましたが、まだ?

 

ユスラ・マルディニさんのことはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のホームページにインタビューが掲載されているのでそちらをご参照ください。

https://www.japanforunhcr.org/archives/yusra_interview

 

オリンピックやその後のことなどはテレビ等での報道で知っている方も多いかと思います。

この本はユスラさんがシリアで平和に暮らしていた頃から、ドイツに向けた避難、難民選手団としてオリンピックに呼ばれることへの喜びと葛藤が描かれています。(オリンピックの話は最後の方だけ)

 

「難民」という言葉にあまり馴染みがありませんでしたが、シリアでの日本と同じような当たり前の平和な日常から、一歩一歩戦争に向かっていく様子やそれが彼女自身の生活に影響を与え始める描写は、読んでいて緊張しました。

「戦争」と聞くと、随分昔の話のようですが、世界では今現在も戦争中にある国々があります。そのことをまざまざと感じさせられました。

 

I want to help change people's perceptions of what refugee is, for everyone to understand that it is not a choice to flee from your home, and that refugees are normal people who can achieve great things if given the oppotunity.

( 私は難民とは何であるか、という人々の認識を変える手助けがしたいと思っています。皆さんに自分たちの家を離れるのは自ら選んだ道ではないし、難民は普通の人間で、チャンスを与えてもらえれば素晴らしいことを成し遂げられる人々だということを理解してもらいたいです。)

 

これがユスラ・マルディニさんの伝えたいメッセージです。

 

難民問題やスポーツと社会問題などに関心のある方には是非オススメしたい一冊でした。

ただ、聞き慣れないアメリカ英語が多くて、読むのが大変でした。英検1級に向けた勉強にはちょうど良かったですが。

日本語版を出版中の方々、是非ともよろしくお願いします。

 

 

電動車椅子サッカー クラス分けまとめ

元号まであと1ヶ月!

気付いたら4月です。そんな4月に東中野電動車椅子サッカーの映画が絶賛公開中です。

https://keru.pictures/

Twitter電動車椅子サッカーのクラス分けについて描かれているシーンもあると聞いて、俄然興味が湧きました。

東京オリンピックパラリンピックのボランティア説明会への参加も兼ねて来週観に行くことにしました。

 

そこで鑑賞に向けて電動車椅子サッカーのクラス分けのまとめ。

(日本語版も出てますが、英語で読む習慣なので英語版から参照。誤訳は許してください。コメントはあくまで主観。批判じゃなくて疑問です。悪しからず。)

【参加要件】

・Neurological Impairment including spastic hypertonia,dystonia,athetosis and ataxia

 痙攣性筋緊張亢進、ジストニア、アテトーゼ、運動失調を含む神経障害

・Myopathies including muscular dystrophy

 筋ジストロフィーを含む筋障害

・Spinal cord lesions 

 脊髄損傷

・Orthopaedic impairments

 整形外科疾患

選手はこのどれかの障害がある必要があります。(わざわざIPC Classification Codeと別の用語を使ってる理由ってなに??)

Minimal Eligibility Criteria(最低出場基準)が書いてないけど、電動車椅子を常用してればOK?

 

【スポーツクラス】

電動車椅子サッカーでは

姿勢コントロール、頭部コントロール、運転技術から

PF1(重度障害)

PF2(中等度から軽度障害)

の2クラスに分かれるようです。

 

【評価方法】

そのスポーツクラスは

1.身体評価

2.技術評価

3.パフォーマンス観察

の3つで評価します。車いすラグビーと同じですね。

電動車椅子サッカーに特徴的な機能評価としては以下の6つが挙げられています。

・姿勢コントロール

・ドリブルスキル

・頭部コントロール

・反射反応と協調性

・持久力、耐久性

・コミュニケーション

(マニュアルにはThe five main areasって書いてあるけど、項目は6つありません?)

そして、それぞれは特に決まった点数とかはなく「全体的に」評価すると書いてあります。(…え?裏マニュアルでもあるのかな?)

 

この6つの項目がどういう状態だとPF1なのかPF2なのかも書いてありますが、

Moderateとかpoorとかfairとかdifficultとかsevereとか抽象的な単語が並んでいるため、マニュアルを読んだだけじゃ分かりません。

 

というわけで簡単に電動車椅子サッカーのクラス分けについてまとめてみました。

詳しくはホームページからマニュアルをご参照ください!

http://www.web-jpfa.jp/football/class.php

結局、姿勢や協調性、ドリブル技術等からPF1とPF2(と該当なし)を判断するのは分かりましたが、どこからどこまでがPF1で、どれくらいだとPF2になるのか全然分かりませんでしたので、詳しい方、教えてください。そして、協会の方、クラス分け講習会の開催を是非ともお願いします!

IPC Classification Coordinator

国際パラリンピック委員会では様々な仕事の求人が出ています。

その中に

Classification Coordinator

の求人が!

https://www.paralympic.org/sites/default/files/document/190226131703108_IPC%2BClassification%2BCo-ordinator.pdf

 

主な仕事は

国際パラリンピック委員会が管轄するスポーツにおけるクラス分けの遂行や国際基準の遵守に向けた補助を行なったり、研修生育成のコーディネートを行なったり、科学的根拠に基づいたクラス分けに向けた研究をサポートすること

など。

めっちゃ面白そう!

活動場所は

ドイツ・ボンにある国際パラリンピック委員会の本部!

ドイツ暮らし、憧れます。

 

条件は

マイクロソフト・オフィスが使える

英語でのコミュニケーションスキル

締め切りを守る、マルチタスクができる、真面目に働く

など書いてありますが、一行目に

Master degree in sports science with major orientation in biomechanics or kinesiology

バイオメカニクスや運動学を主としたスポーツ科学での修士号

とあります。

 

う…やっぱりお前か、「修士号」…

今となってはそこが一番ハードルが高い…

発生学 embryology

以前の記事でパラリンピックに出場できる10種類の障害について紹介しました。

http://yukickoff2016.hatenablog.com/?page=1546871312

  1. Impaired muscle power:筋力低下、脊髄損傷や二分脊椎、ポリオなど
  2. Impaired passive range of movement:他動的関節可動域制限、先天性関節拘縮症など、関節炎のような急性症状は含まれません
  3. Limb deficiency:四肢欠損、切断や先天性の欠損など
  4. Leg length difference:脚長差、外傷や先天性によるもの
  5. Short Stature:低身長、小人症など
  6. Hypertonia:過緊張、脳性麻痺や脳外傷など
  7. Ataxia:運動失調、脳性麻痺など
  8. Athetosis:アテトーゼ(不随意運動)脳性麻痺など
  9. VIsual Impairment:視覚障がい
  10. Intellectual Impairment:知的障がい

この中でウィルチェアーラグビーを通して関わることの多い疾患は

1.筋力低下(脊髄損傷、神経筋疾患)と3.四肢欠損です。そして、最近、世界的に増えているのは7.運動失調です。

普段の臨床現場で出会うことがそんなに多くない疾患が多いのでまだまだ分からない事ばかりです。

特に先天性の四肢欠損に関しては、小児リハに関わることがない限り、あまり触れることのない疾患ではないでしょうか?

・指が2本しかないけど、この指は親指なのか?人差し指なのか?

・四肢の形成不全がある場合、座高(脊椎)の形成は正常なのか?

などなど疑問がたくさんありますし、クラス分けを行う上でその判断が鍵となることもあります。

というわけで、最近読んだオススメの1冊はこれ!

人体はこうしてつくられる――ひとつの細胞から始まったわたしたち

人体はこうしてつくられる――ひとつの細胞から始まったわたしたち

 

国家試験というより、大学入試の時に勉強した記憶がある「発生学」

細胞分裂やら外胚葉やらが出てくるやつです。

その辺りから、手足の形成や発達について学び直そうと思い、読んでみました。

(ラングマンの人体発生学は高額なので、ハードルが高い)

 

1つの細胞が分裂する時に、どうやって真ん中を決めているか?

神経や血管、手足がどのように発生するか?

とても丁寧に分かりやすく説明されています。

 

一般的には

「DNAの中の設計図に従って身体って作られるんでしょ?」

という印象があるかもしれませんが(僕はそう思っていました)

人体の発生は、ほぼ全てに置いて細胞同士のコミュニケーションで成り立っています。

物理的なシグナル(お互いを引っ張る力や隣に何があるか、何もないか)や生化学的なシグナル(他の組織から来る分子)を受け取って、自分が次に何に分化すればいいか判断しています。

それだけで(と言ったらなんですが)、1つの同じ細胞から、身体中の多様な細胞に分かれていろんな機能を果たします。設計図もないのに、右腕と左腕はだいたい同じ長さになるし、極端に頭が大きくなったりしない。凄いですよね。

読めば読むほど、人体の発生は極めて巧妙で神秘的な仕組みによって成り立つことが分かります。DNAに「あなたは外胚葉だから神経になりなさい」「君は内胚葉だからこっちへ行きなさい」って指示されているわけではないのです。

 

僕は先天性四肢欠損について知りたくて読み始めましたが、再生医療に興味がある方も、発生学を学びなおすにはとても良い本だと思います。

かなり丁寧に作者さんは説明してくれて、「一般の方へ発生学を分かりやすく」というテーマの本かと思いますが、正直そんなに簡単ではありませんでした!笑

 

 

とても良い本でしたが、結局、先天性四肢欠損が起きる原因とか過程とかはよく分かりませんでしたので、次はラングマンの人体発生学へ進みます。

こういう学びが「科学的なクラス分け」に繋がると信じて!