パラスポーツに関わるには?
連日、職場ではオリンピックの話しかしてない気がしていますが、平昌パラリンピックまであと3週間を切りました。
パラリンピックへの関心が高まる中、「障がい者スポーツに関わりたいです」とお声をかけていただくことも増えました。中級指導員を取りたいと思ってる理学療法士の方々にも多く訪問していただいてるかと思います。じゃあ、どうやったらパラスポーツ/障がい者スポーツへ関われるのか?
今度の平昌パラリンピックでは6種目が開催されます。
東京パラリンピックでは22種目。
- アーチェリー
- 陸上競技
- ボッチャ
- 自転車競技
- 馬術
- 視覚障害者5人制サッカー
- ゴールボール
- 柔道
- パラカヌー
- パラトライアスロン
- パワーリフティング
- ボート
- 射撃競技
- 競泳
- 卓球
- バレーボール
- 車いすバスケットボール
- 車いすフェンシング
- ウィルチェアーラグビー
- 車いすテニス
- パラバドミントン
- パラテコンドー
これら以外にも、電動車椅子サッカーや脳性麻痺7人制サッカー、ゴルフ、ダンス、セーリングなどがパラスポーツとして挙げられます。
パラスポーツに関わりたいなら、そのどれかの競技と関われば良いんです。
一番大事なのは行動すること。
「今ある選択肢の中でどれができるかな、まずやろう」みたいなほうがいいのです
と著書の中で落合陽一さんは言っています。
もともと〇〇の競技をやっていた、知り合いがチームに関わっている、近所で練習している…などなどきっかけはいろいろあると思います。そういった自分が持てる選択肢の中からできそうなことからまずやってみれば良い。ボランティアだっていろんなところで募集しているし、地域で活動しているチームは結構いっぱいある。理学療法士としてにこだわらず、チームスタッフとして、クラシファイヤーとして、審判として、あなたにできることはいっぱいあります。
とにかく行動してみるしかない。
そこでやってる人と会って話してみないと何も分からないし、自分がどう感じるかも分からない。
僕はそうやって知的障がい者サッカーやウィルチェアーラグビーと出会ってきました。
受け入れるチームや団体からすれば、どこの馬の骨かも分からない人に突然来られたら困るかもしれませんが、人を選べばいいし、人から選ばれるように振る舞うべき。
とにかく僕は2020年を過ぎると忘れ去られてしまうようなしょうもない風潮をどうにかしたい。そのためにもいろんな人、特に若い理学療法士さんにはもっとパラスポーツに関わってほしい!
きっかけづくりなら今が一番のチャンスです!
近くのチームの検索はこちらで!
車いすカーリング
連日平昌オリンピックの話題で盛り上がってますね!
自分としても高梨沙羅さんがメダル獲ったあたりからオリンピック熱が高まってきました!笑
【NHK】「作戦会議の女子会に参加した気分が味わえる!?」と話題のカーリング 3連勝!<ピョンチャン>
見ていて一番やりたくなるのは「カーリング」です。
ホント面白そう!
3月9日からは平昌パラリンピックの始まりますし、カーリングはパラリンピック種目でもあります。カーリングなら障がいの有無を問わず一緒に楽しめそう。
気になったので、車いすカーリングのクラス分けについても調べてみました。
ここでダウンロードできます。
今のところ、持ち点制とかではなく、「参加資格があるかないか」を判断するようです。
対象者は車いすを日常的に使用している人で、主な疾患としては脊髄損傷、ポリオ、切断(両足関節以上)、脳性まひ、多系統萎縮症が挙げられており、筋力や筋緊張、協調性などをテストするようです。
結果に応じて、参加資格あり(WC-E)、参加資格なし(WC-NE)のクラスに分けられます。
比較的いろいろな障がいを持った方でも一緒に参加できそうです。
問題はカーリング場ですが、調べてみると結構あるんですね。
(車いすで使用できるかどうかは分かりませんが…)
今度体験会に行ってみようかな。
鉄道弘済会義肢装具サポートセンター
今日は講師である臼井先生の勤務先である鉄道弘済会義肢装具サポートセンターについて。
義肢装具サポートセンターでは臼井さんのような義肢装具士が30名、理学療法士が3名在籍しており、医師・看護師とともに義肢装具の作製やリハビリテーションを行っています。
さて、この義肢装具サポートセンターですが、もともとは旧国鉄のキヨスクの売り上げを元に、労災(鉄道関係)で腕や足を失った人へ義肢や義手を作るようになったのがきっかけで東京義肢製作所として始まったということでした。
そのキヨスクは、1932年に鉄道事故などで働き手を失った遺族(妻)に仕事を与えるために東京駅構内で売店を開いたことで始まったそうです。
東京義肢製作所が始まったのが1944年、もう70年以上前!
半世紀以上も前から、義肢装具を作り続けている、本当に歴史のある施設なんですね。
そういう支援体制があったのも知りませんでした。
今は労災事故自体が減っているため、切断に至る原因は糖尿病や腫瘍が多くを占めているそうです。
(厚生労働省ホームページより)
臼井さんもスポーツ選手ばかり診ているわけではなく(そんなイメージが強いですが、、、)、おそらく日々の臨床業務は高齢者を相手にすることが多いのでしょう。理学療法士と一緒ですね。
最近は海外(中国、ロシア)からの来訪も多く、他院からの紹介で義足の作製・リハビリテーションを行うことも多いようです。
そういえば、駅で見かけるのはキヨスクではなくNEW DAYSばっかりのような気がします。今はさすがにキヨスクの売り上げが義肢装具サポートセンターへ、というわけではないと思いますけど、見かけたらなるべくキヨスクで買い物しようと思います笑
パラ陸上のクラス分け
昨日の続き。
臼井二美男先生の講義の際には、宇都宮市出身の中村国一選手がアシスタントとして参加してくださりました。
昨日のこの写真の選手です。(顔写ってませんが…)
両下腿義足の選手として100m、400mの日本記録保持者でパラリンピックのメダルも目指せるような選手ということで、そんな凄い選手の走りを間近で見たり話を直接聞いたりできるのは本当に貴重な体験でした。
その中村選手ですが、2017年まではT/F43というクラスでやっていましたが、2018年からはT/F62という新設されたクラスに変わる、という話がありました。
というわけで何のことか全く分からなかったので陸上のクラス分けについてちょっと調べてみました。普段はウィルチェアーラグビーのクラス分け委員をやっていますが、他の競技のクラス分けにも結構興味があります。
パラ陸上連盟のホームページからも見れますが、もっと分かりやすかったのはXiborgのホームページ(為末大さんや遠藤謙さんらが設立した会社ですね)
陸上競技には、知的障害、脳性麻痺、切断などの障がいがある方が参加し、T(トラック競技)およびF(フィールド競技)にそれぞれ20番〜60番までのクラスに分けられます。
とりあえず切断の場合はこんな感じ↓↓↓
(日本パラ陸上連盟ホームページより参照)
それだけでもややこしい!なのに、2018年からはクラスが追加されたそうです。
(同上)
(クラス分け委員の方は大変そうです…)
選手も今まで出場してたクラスが急に変わるわけで、それまでは優勝できてたのにできなくなったり、ライバルだと思ってた選手が別のクラスになったり、と混乱しそうです。
中村選手もクラスが変わり、かつ、義足を着用した状態での身長の制限も190cmから180cmへ変わってしまったそうです。10cmってかなり大きいですよね!?
身長は指極(中指と中指を結んだ距離)、座高、大腿骨の長さから計算するそうですが、現在、国際パラリンピック委員会のホームページが落ちてますので調べられません…また後日調べます。
中村選手はとても気さくで、義足体験の際には歩き方や注意点など分かりやすく教えていただきました。これからのご活躍が本当に楽しみです。
クラス分けが変更になり、義足や走りのフォームの調整等大変だとは想像しますが、頑張ってほしい!
それと同時に新しくクラス分けが変更になったことで勝敗の行方にどう左右するのか、注目です。
繰り返しますが、こういった変更に対応しなきゃいけないクラス分け委員の方々も本当に大変そうだし、責任重大!
関東ブロック障がい者スポーツ指導者研修会
義足で走る姿を間近で観るのは初めて!
今日は栃木県宇都宮市で開催された関東ブロック障がい者スポーツ指導者研修会に参加させていただきました。宇都宮に行くのはかなり久しぶり。
テーマは
「スポーツで活用する義肢装具を学ぶ」
ということで鉄道弘済会義肢装具サポートセンターの臼井二美男先生にお話いただきました。
臼井さんは言わずもがなパラスポーツ界のレジェンドで、日本の義足スポーツの発展を支えている方です。そんな方のお話を直接聴けるなんて本当に光栄です。
印象に残ったのは、パラリンピック等の競技スポーツで注目の集まっている臼井さんですが、草の根レベルの活動を本当に大切にされているんだということ。
「もう一生走れないと思っていました」という義足ユーザーの方々に「走る」という体験を提供することに尽力されています。みんながパラリンピックを目指せるわけじゃないし、そうじゃなくていい、と。
もう一つは1本何十万円もする競技用義足を、なんとか多くの方に提供したい、という想いです。
法人からの支援やチャリティー番組を通した寄付、トップアスリートからの中古品の提供、研究用のモニターなどの手段で義足を集め、それを無償で貸与、調整しているそうです。
競技用義足だけでなく、競技用の車いすはとても高価ですし、保険も適応外。スポーツをやってみたい、と思っても道具を揃えるのはハードルが高いのが現実です。
補助金がもらえても遠征費等で消えていくため、物品支給という形で支援することはほとんどないようです。
それをどうにかしたいんだ、という想いを垣間見ました。
本当にみんなにスポーツを楽しんでもらいたいんだなぁ、臼井さんはきっと。
僕も体験させていただきました。普通の義足は大学の講義で履かせてもらったことはありましたが、競技用は初めて。板バネの反発感を体験できました!
義足ユーザーでもランニングなどの陸上競技を楽しめるのは全国でもまだ5箇所くらいのようです。
義肢装具士や理学療法士のサポートが必要なので簡単ではないと思いますが、もっと気軽に誰でもスポーツを楽しめる環境が整うと良いですね。
千葉でもできないかな???
臼井さんが代表を務める切断者スポーツクラブ「ヘルスエンジェルス」は「スタートラインTokyo」という名前に変わったそうです。
臼井さんについてもっと知りたい方はこちらを。
臼井さんの次は菅谷薫先生が考案した「コントロールアタック」という競技の説明&体験でした。それについてはまた後日。
やっぱり宇都宮の餃子は美味しかった🥟…。