理学療法士のパラスポブログ

障がい者スポーツを通してより良い社会の実現を!理学療法士に何ができるか考えます。理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/クラシファイヤー

バリアバリュー

読書日記③「バリアバリュー 障害を価値に変える」
ミライロ代表取締役 垣内俊哉さんの本を読みました。

バリアバリュー  障害を価値に変える

バリアバリュー 障害を価値に変える


度々Facebookのタイムラインに出てきていたので、気になってた本です。

日本がもし100人の村だったら、
男性49人
女性51人
LGBT8人
高齢者26人
子供15人
妊婦1人
左利き10人
障害者6人
外国人1人
だそうです。
10人に1人は左利きなのに、ハサミも、自動販売機のコイン入れも、Suicaのタッチする場所も、ほとんどが右利きの人に便利なように作られています。
そういう風に言われれば、確かに「バリア」は人ではなく、環境にあるのだと実感できます。
そのバリアをハードやハートの面から変えようとしているのが、ミライロの垣内さん。

人それぞれ持つバリアは本当に克服しなければいけないものでしょうか?
もちろん「障害」はない方が良いに決まっています。しかし、時に「価値」へ変わる瞬間があります。見方を変えればそれが「強み」になることもあります。

それが「バリアバリュー」です。

垣内さんがそう考えるまでの過程も本の中で描かれています。
垣内さんは「歩きたい」という強い希望を持ち、できる限りの最大限の努力をされました。
それでも、「歩けない」という現実に気付き、「歩けなくてもできること」を探し始めました。
登りきった先の景色を見たわけです。

つまり、山を登りきらないと、その先は見えない。
自分は、担当している利用者さんが登りきれるまで支えられているのでしょうか。
登りきれてないのに、「障害があってもできること」を探させてないか。
そんな疑問も湧いてきます。

でも、登りきった時に、垣内さんのように気持ちを新たにできれば良いですけど、「いつまで経っても治らない」と鬱々してしまうことも多いように思えます。
特に片麻痺に対し、麻痺の回復や促通ばかりに焦点を当てたリハビリテーションを受けた結果、いつまでもリハビリテーション専門職に依存的になり、残存機能を上手く活かせていない人に出会うことが少なくありません。

うーん、難しい!
リハの内容はもちろんですが、声のかけ方や接し方一つで、鬱状態になるか、垣内さんのようになれるか、変わると言っても過言ではありません。


話は変わりますが、この本の中ではミライロの事業の一つである、「ユニバーサルマナー検定」についても述べられています。
予算やスペースの都合でハードを変えることが難しい場合でも、スタッフの対応の仕方などのソフト面を変えることで、問題が解決することもあります。
理学療法士だからと言って、なんでも分かってるわけではありません。
困っていそうな人への声のかけ方など、参考になることが多いです。
ユニバーサルマナー検定、受けてみたい検定です。