理学療法士のパラスポブログ

障がい者スポーツを通してより良い社会の実現を!理学療法士に何ができるか考えます。理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/クラシファイヤー

東北ブロック障がい者スポーツ指導員講習会

気付けば前回の投稿から1ヶ月が経ってしまいました。。。

ただでさえ通常業務で忙しいのに、台風やら低気圧やらがやってきて大忙し。

 

さて、9月17,18日に青森県八戸市で開催されました、「東北ブロック障がい者スポーツ指導員講習会」に参加させていただきました。

人生初青森☆東北はあと山形のみ(行く用事できないかな…)

講習会の前に八食センター行ったり、

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蕪島行ったり(ウミネコ繁殖地だけど、全然ウミネコおらず)、八戸を満喫しました。

 

講習会のテーマは「ハンドサッカー」

ハンド?サッカー?サッカーでハンドしたらファールやろ…と思いますよね。

ハンドサッカーとは、東京都の肢体不自由特別支援学校を中心に30年くらい前から行われている競技です。

手が使える子は手で「ハンド」

足が使える子は足で「サッカー」

ということで、重度の障がいがあっても、誰もが参加できる競技として開発されました。

いつも卓球バレーを推していて、今回のパラリンピックではボッチャが銀メダルを獲りました。

でも、やっぱり本当に障がいが重い人は、結局一緒に卓球バレーやボッチャを楽しむことができません。

 

しかし!ハンドサッカーでは本当に誰でも参加できます!

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まず、コートはバスケットボールコートの一回り小さくしたもの。その両端にハンドボールゴールよりも一回り小さいゴールがあります。そのゴールの左横にサブゴールがあります。ボールはソフトバレーボール。

 

フィールドでは4名の選手が独歩であろうが、電動車いすであろうが、入り乱れてプレーします。

運動機能によって、ボールを持つことができる時間が決められています(5or10秒)。

その4名のフィールドプレイヤーとは別に、「スペシャルシューター」と呼ばれるポジションがあり、フィールドの端の方にいます。

スペシャルシューターがボールを持ち、角に設けられたSSエリアという場所に入ることができれば、サブゴールに2本シュートを打つことができます。

スペシャルシューターを担当するのは、フィールドプレイヤーより障がいが重い選手です。

 

更に!フィールドプレイヤー、スペシャルシューターとは別に、「ポイントゲッター」というポジションがあり、味方からのパスをポイントゲッターが受けると、メインゴールに1本シュートすることができます。ポイントゲッターはスペシャルシューターよりも更に障がいが重い選手が担当します。

 

スペシャルシューターやポイントゲッターは選手一人ひとりが考えたシュート課題を試みます。

例えば、ボッチャのようにボールを転がしてシュートしたり、電動車いすでボールを押してシュートしたり。

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 とまぁ、ここまで書いてみましたが、全然伝わる気がしない(笑)

自分自身も渡された資料やインターネットを見てもよく分かりませんでした。

半日プラス半日の講習会日程のほとんどを実技体験に費やしていただいたことで、ハンドサッカーの面白さや奥深さを知ることができました。

一言で言うと、ハンドボールのような車いすラグビーのようなボッチャのような競技でした。

競技、というよりも、レクリエーションや学校体育に近いイメージかもしれません。

 

純粋に勝ち負けを競う、というよりも、ハンドサッカーを通して、課題を見つけ、それを乗り越えていくことに意義があるようです。そういう意味でも教育的要素の強い障がい者スポーツだな、と感じました。

 

要は、卓球バレーでもボッチャでもハンドサッカーでも何でも良いんだと思います。ただ、障がいがあるから選べる競技が無かったり、選択肢が少なかったりすることが問題なわけです。

スポーツじゃなくてアートでもミュージックでも良いはずです、夢中になれるなら。

その選択肢をどれだけ与えられるかが、周りの大人や社会の課題です。

「あなたは卓球バレーできないから、横で見ていて」なのか、

「あなたは卓球バレーは難しいかもしれないけど、ハンドサッカーっていうのがあるけど、どう?」と言えるかどうかです。

 

最後に、もう一つ、ハンドサッカーの魅力を加えると、両親への生きがいの提供だと思います。

講習会の中で見せていただいた動画で目立ったのが、観客(たぶん親)の盛り上がりです。

子どもがスポーツクラブに入って、その応援が生きがいです、っていうお母さんやお父さんに結構出会います。自分も今から楽しみです。その喜びを、重度障がいのお子さんを持ったご両親も味わうことができるのがハンドサッカーです。協会の方も「うちの子には無理だと思ってました」とよく言われるそうです。

 

まだハンドサッカーは全国的には広まっていない状況です。

全国に広まれば、そんな思いができる人が増えます。地元福岡でも講習会を開催するかもしれない、ということなので、これからの発展がとても楽しみです^o^

もし、興味を持ってくだった方がいれば、ご一報ください。きっと協会の方は全国どこでも行ってくださると思います。海外進出も絶賛募集中です〜