理学療法士のパラスポブログ

障がい者スポーツを通してより良い社会の実現を!理学療法士に何ができるか考えます。理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/クラシファイヤー

全豪オープン車いすテニス

先日まで行われていた全豪オープン・テニス、車いすの部は

男子:グスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)

女子:ディーデ・デフロート(オランダ)

クァード:ディラン・アルコット(オーストラリア)

がそれぞれ優勝しました!

 

ハイライトはここで観れます。

ausopen.com

IPCのウェブサイトより、アルコット選手のインタビューを抜粋。

https://www.paralympic.org/news/dylan-alcott-aces-australia-day

 

“Today was a really special day, When I was 14 years old, I was lying in bed, and all I wanted to do was make it in the mainstream in some way." 

今日は本当に特別な日になりました。14歳の頃、僕はベッドの上に寝ていて、何か主流なもので成功したいと望んでいました

 

“I wanted to show that people with disability can be elite at what they do. I wanted to show them that they can be normal people – get a job, have fun, have a partner, do all the things everyone else takes for granted. I just wanted to see people with disability succeeding in the mainstream, in the media. And today, this match was broadcast on every single TV in Australia.”

僕は障がい者でも、その道のエリートになれる、ということを示したかったんです。障がい者でも普通の人になれる、つまり、仕事を得たり、楽しみを持ったり、パートナーを得たり、他のみんなが当たり前と思っている全てのことができる、と示したかったんです。僕はメディアで障がい者が主流なもので成功する姿が見たい。そして今日、その試合はオーストラリア中の全てのテレビで放送されたんです。

アルコット選手は生後3ヶ月で脊髄腫瘍の為、対麻痺となり、その後、18歳でオーストラリアの車いすバスケの選手として北京パラリンピックで金メダルを獲得、2012年にバスケ選手として引退し、テニス選手として戻ってきた経歴の持ち主です。

全豪オープンの優勝は5年連続だそうです。

 

さて、その車いすテニスですが、出場資格条件は、

「走る動作を実行するのに生体力学的な永続的な障がいがあること」

で、以下の障がいが当てはまります。

・筋緊張亢進

・失調

・アテトーゼ

・四肢欠損

・関節可動域制限

・筋力低下

・脚長差

そのうち

1.オーバーヘッドサーブに制限がある

2.スムーズで連続的なフォアハンドとバックハンドに制限がある

3.車いす駆動に制限がある

4.ラケットを握るのにテーピングなどの補助が必要

5.体幹機能に制限がある

のいずれかを満たす場合には

「クァードクラス」 

に参加できるようです(2017 ITF Wheelchair Tennis Classification Manualより)

 

クァードクラスはウィルチェアーラグビーと似たような障がいをもつ選手が多そうな印象ですね。アルコット選手の場合は体幹制限が強そうなので、両上肢に障がいが無ければ、ウィルチェアーラグビーには出られないことになりますが。

ちなみに男子の部優勝のグスタボ・フェルナンデス選手は1歳半の時の脊髄梗塞の影響で左下肢麻痺があるようです。(なので上肢機能は正常)

 

今回はハイライトしか見れなかったので残念。

一度でいいから、4大大会のどこかで車いすテニス(特にクァード!)を見に行ってみたい!