理学療法士のパラスポブログ

障がい者スポーツを通してより良い社会の実現を!理学療法士に何ができるか考えます。理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/クラシファイヤー

パリ2024パラリンピック、競技種目決定!

こんばんわ。大坂選手、おめでとうございます!

21歳で全米、全豪の連覇って凄いよね。

 

さて、そんな中、東京の次であるパリ2024パラリンピックの競技種目が発表されました!

https://www.paralympic.org/news/paris-2024-ipc-announces-sports-programme

東京パラリンピックと同じ22種目です。

athletics, archery, badminton, blind football, boccia, canoe, cycling, equestrian, goalball, judo, powerlifting, rowing, shooting, sitting volleyball, swimming, table tennis, taekwondo, triathlon, wheelchair basketball, wheelchair fencing, wheelchair rugby and wheelchair tennis

 (ブラインドサッカーがfootball 5-a-sideからblind footballに代わってる!!!)

ウィルチェアーラグビーはもちろん残りました、ひとまず良かった!

 

その反面、CPサッカーは残念ながら東京に引き続き、落選。関係者、ファンの皆様には残念な結果となってしまいました。

競技数を23に増やすことについて、IPC会長であるアンドリュー・パーソンズさんは

”expanding the Games to 23 sports was not a viable option without growing athlete numbers beyond 4,350 or increasing costs.”(競技数を23種目に増やすことについては、選手数が4350名を超える数に膨らむこと、開催費用が嵩むことから、可能性のある選択肢ではなかった)

と述べています。

また、選手の男女比についても言及しており、

”if the sport continues to make progress and further develops the women’s game, then it will be in a much stronger position for inclusion in future Paralympic Games.” (もしこの競技が発展を続け、女性選手の試合を更に発展させれば、その時は将来のパラリンピック・ゲームズに含まれるより強い立場を得られるでしょう)

 と言っていますので、

「女性選手を増やしてください」

という明確なメッセージかと思います。

2028年のロサンゼルス・パラリンピックに向けてぜひ動き出して欲しいですね。

 

IPCの求めるものは

strong global appeal:国際社会への強いアピール

gender balance:男女のバランス

athletes with a wide range of impairments:高度なサポートを必要とする重度障害者を含む、幅広い層の障がい者の参加

です。

今回選ばれた22競技も、これらを満たさなければ除外されます。(いろんな事情もあるかと思いますが)

 

東京パラリンピックに向けていろいろと盛り上がってるかと思いますが、2020年以降もどんどん続いていきますので、本当に多くの方々に継続した支援をしていただきたいです。

 

そして、最後に…

やっぱりパリに行きたい!

A Happy New Year!

少し遅くなりましたが、

A Happy New Year!

ついに2019年を迎えました。

 

振り返れば、2018年は6月のカナダカップでの国際資格を取らせていただき、その為の準備として代表合宿にも参加させてもらう等、貴重な経験ができました。

高知・横浜でのリーグ戦、千葉での日本選手権に加え、東京都のパラリンピック選手発掘プログラム、日本パラリンピック委員会主催の研修会に参加したし、幅広い経験のできた1年でした。

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さて、2019年は国際クラシファイヤーとしての第一歩が始まります。

3月にはオーストラリアでの研修、夏にはアジア・ヨーロッパ・アメリカでの選手権大会が開催されます(どれかには行けるはず)

ますます海外に行く、そして、海外で仕事をする機会が増えるわけなので、

 

2019年はとにかく英語を勉強します!

当たり前ですが、国際クラシファイヤーには英語力が必須です。

これから国際資格を目指す人(興味がある人)は絶対英語の勉強はしておいたほうがいいと思います。

当面の目標は、

英検1級

です。

5〜6年前に準1級を取って以来、本格的には勉強してないし、準1級まで取ったんだから1級まで取っときたい。本当はIELTsの方が良いんでしょうが、受験料が高い…

医療系の論文はだいたい読めますが、普通の小説とか新聞を読むと知らない単語がやっぱり出てきてしまうので、そこを乗り越えたいと思います。

 

今年はウィルチェアーラグビー以外の競技のクラス分けについてももっと深く勉強していくつもりですので、しっかり発信できればと思います。

 

今年もよろしくお願いします!

走ってみて分かったこと

昨日の続き。

の前に、パラサポのWebマガジンに池選手の記事が載っていたのでシェア。

何度かお話しさせていただきましたが、丁寧で素敵な方です。

「ジェントルなキャプテン」

だって。

www.parasapo.tokyo

アメリカでの活躍の様子も知りたいですねー。

アメリカ国内リーグの情報ってどこかで見られるの?

Wheelchair Rugby – Demolition

Lakeshoreのチームらしいけど…

 

さて、昨日張り切って走った結果、今日は筋肉痛と倦怠感に苛まれました。

普段のトレーニング(4km)を超えて頑張りすぎて(とはいえ6kmですが)分かったことがあります。

 

・一番最初に痛くなったのは「背中(菱形筋)」→次に右の腿裏(ハムストリングス)と左の太腿(縫工筋!)

・ランニングとマインドフルネスなんて関連づけられますが、そんな感じがするのは30分以上走ってから

・距離が伸びるとフォームが崩れる。意識して戻そうとしてもできない!

・接地位置が悪いのが分かるけど足部の随意的なコントロールなんてやっぱ無理

ザバスを持ったまま走るのはやめた方がいい

・やっぱり距離とペースは少しずつ増やすべき

 

自分でやってみると本当にいろいろ気付くことがありますね。

レーニングすべきところが明確になるし、トレーニングじゃ解決できなそうなことも分かる。

11日は入谷式足底板セミナーに行くのできっと講師の先生とペアになった方が解決してくれるでしょう笑(よろしくお願いします!)

 

車いすスポーツに関わる場合も同じことが言えると思います。

理学療法士って普段車いすと押すことはあっても乗ることって少ないですよね?

車いすの駆動の仕方なんて学校じゃ習わないですし。

でも、自分が乗っていないと、どうして選手がああいう動きをするのか分からない気もします。

オススメなのが橋本大佑さんが講師を務める車いすインストラクター講習。

www.coil.or.jp

ドイツ式の車いす操作を体系的に学べるセミナーです。

本当に知らないことが多く、学びの多い研修会です。僕はこのセミナーで15cmくらいの段差は越えられるようになりました。

COIL | コ・イノベーション研究所 | 車いすインストラクター講習(初級)を開催します (11月23日・24日 つくば)

再来週につくばで開催されるそうです!

きっとこの経験が車いすスポーツ(ウィルチェアーラグビー)の観察をする上で役に立っています。

(ホントは競技スポーツとしてやってみたいですけどね。)

 

そういえば最近車いすに乗ってないなー昼休みに練習しよう。

 

君たちはなぜ走るか How come you run?

先月からランニングを始めました。

「趣味はランニングです」って言いたいから。

 

パラリンピック障がい者スポーツ)を通した共生社会に向け、スポーツ庁が掲げるスポーツ基本計画に

障害者のスポーツ実施率(週1)19%(2017年)➡︎40%(2022年)

という目標があります。

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スポーツ庁HPより)

スポーツ基本計画:スポーツ庁

 

健康寿命の延長やQoLの向上の為にも大事な目標です。

ウィルチェアーラグビーや卓球バレーに関わっていて一番目指したいのがココ。

 

ん?いや、待てよ。

自分、何もやってないじゃん!

 

筋トレしかしてないことに気づきました。

コーフボール、アーチェリー、バスケットボール、テコンドー…興味あるスポーツはいっぱいあります。でも、時間もお金もかけられない。

 

ランニングはシューズ代だけだ!

 

と閃いたのでランニングにしました。

そんなことを考えてる時にタイミングよく、雑誌Tarzanの特集が

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「君たちはなぜ走るか」

もう走るしかありません。

 

思えば、ウィルチェアーラグビーを通してトップアスリートの方々と出会う機会が増えました。一緒にご飯食べてても、弁当のシューマイを残してたり、ご飯を食べる量を管理してたり、もちろんトレーニングしていたり、健康管理は徹底されている選手が多い。

じゃあ、そういうアスリートから見た時に、好きなもの食べてトレーニングもしていないクラシファイヤーの言葉に説得力を感じるか、と考えた時、頑張って痩せようと思いました。

本業の理学療法士としても然り。

 

今年はカナダ行ったり高知行ったり遠征の多い1年でした。

遠征はやっぱり体力勝負。せっかくの遠征先で疲れてるのはもったいないですし、訪れた街でランニングするって憧れます。

 

アーユルヴェーダの勉強をして、ゆる〜く実践しているんですが、カパ体質の自分には運動が必要って分かりましたし、

 

どうせなら子どもの頃に苦手なものを克服しようと思った30歳。

苦手なものは持久走と水泳です。

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苦手だけど走ってみると意外と走れる!

だんだん走ってるうちに楽しくなってきました。

今日は調子に乗っていきなり6kmに距離を伸ばしてみたら、今まで気づかなかった身体の変化に気がつきました。

長くなってきたので、それはまた次回書きます。

 

障がい者スポーツに関わる(関わりたい)皆さん、自分自身もスポーツを楽しむっていうのもいいですよー!

ウィルチェアーラグビー 今後の予定

久しぶりの更新です。

理由は簡単、ウィルチェアーラグビー 関係のイベントがほとんど開催されていないから暇なんです!その間に学会発表など本業の方に力を入れてました。

 

さて、数日前に国際ウィルチェアーラグビー連盟からニュースレターが届き、今後の予定について明らかになったことが多いのでシェアします。

 

2018年

11月9〜15日:アジア・オセアニア地区予選 @タイ

12月14〜16日:ウィルチェアーラグビー日本選手権大会 @千葉ポートアリーナ

 

2019年

8月3〜12日:ヨーロッパ選手権Div.A @デンマーク・ヴァイレ

8月23日〜9月1日:パラ・パンアメリカン大会(アメリカ選手権)@ペルー・リマ

9月2〜9日:アジア・オセアニア選手権大会 @韓国・亀尾市(クミ)NEW

10月16〜20日ウィルチェアーラグビー ・ワールドチャレンジ @東京体育館

 

2020年

8月26〜30日:東京パラリンピック @国立代々木競技場

 

2022年

10月:アジアパラ競技大会 @中国・杭州 NEW

(2018年に開催されたジャカルタ大会ではウィルチェアーラグビーは競技として採用されていませんでしたが、2022年には追加されるようです!)

 

以前も書いた気がしますが、パラリンピック

Zero Classification Policy

というものがあるので、クラス分けはありません。パラリンピックより前にクラスを付けといてくださいね〜というルールなので、2019年の各地域での選手権大会がクラス分けとしては大きな大会(+カナダカップ)です。

それにしても、ヨーロッパ、アメリカ、アジア・オセアニアって大きな大会が続きすぎじゃない?笑

 

各地域での選手権大会などの国際大会でクラス分けが実施される場合、世界中の国際クラシファイヤーに募集がかかります。

11月のタイは残念ながら落選したので(行く気満々だったのに!)、2019年はデンマーク・ペルー・韓国のいずれかには参加したいと考えています。

クラス分けパネルは3人1組で、各地域から選ばれるので(例;アメリカ人+オランダ人+オーストラリア人)、日本人はアジア・オセアニア枠で選ばれやすい(はず!)です。

 

タイ落選して以来、ちょっとモチベーションが下がってましたが、来年に向けて改めて勉強、特に語学!、を再開したいと思います。

IPC Classification Code

前回、国際クラシファイヤーについて書きましたが、そもそもクラス分けってなに?っていう方もいると思いますので、改めてクラス分けについて書きます。

 

クラス分けに関しては、各競技団体が独自にルールを作って(持ち点制にしたり、カテゴリーを分けたり)それぞれが運営していますが、一応、国際パラリンピック委員会(International Paralympic Comittee:IPC)が示す方針に基づくことになっており、IPCと足並みを揃えることを各競技団体は求められます。

 

その指針を定めたのが

IPC Athlete Classification Code

です。なんかカッコいい名前です(IPCって付くだけでカッコよく感じる)

https://www.paralympic.org/sites/default/files/document/170704160235698_2015_12_17%2BClassification%2BCode_FINAL2_0.pdf

 

なぜそこまでしてIPCはクラス分けを行うのか?それは、

・誰がパラスポーツで競技することができるか

・各競技における障害による影響を最小限にすること

IPCの考えるパラスポーツとは、競技スポーツのことです。障害のある方が全員平等に参加できることは前提にしていません。

なぜならIPCの理念は

「パラアスリートが、スポーツにおける卓越した能力を発揮し、世界に刺激を与え興奮させることができるようにすること」

だからです。少なくとも刺激を与え興奮させることができるレベルの競技でないとなりません。

そして、その競技が、障がいの程度ではなく、個々人の能力によって競われることが重要なので、クラス分けが必要なんです。

障がいの軽い人だけが金メダルを取れるような仕組みはダメです。そりゃそうですよね、でも未だに競技によっては軽い障がいの人しか勝てない競技もあります…

クラス分けってIPCの理念を実現するためにもとっても重要な位置付けなんです。自分で書いといてなんですが…クラス分けって良い仕事だー。やりがいありますよー!

さて、じゃあ、どんな障がいならパラリンピックに出ることができるのか、実は決まっています。

  1. Impaired muscle power:筋力低下、脊髄損傷や二分脊椎、ポリオなど
  2. Impaired passive range of movement:他動的関節可動域制限、先天性関節拘縮症など、関節炎のような急性症状は含まれません
  3. Limb deficiency:四肢欠損、切断や先天性の欠損など
  4. Leg length difference:脚長差、外傷や先天性によるもの
  5. Short Stature:低身長、小人症など
  6. Hypertonia:過緊張、脳性麻痺や脳外傷など
  7. Ataxia:運動失調、脳性麻痺など
  8. Athetosis:アテトーゼ(不随意運動)脳性麻痺など
  9. VIsual Impairment:視覚障がい
  10. Intellectual Impairment:知的障がい

この10障がいだけです。精神障がいや聴覚障がいは含まれません。

聴覚障がいについては分かりやすい記事を見つけたのでご紹介します。

https://whitebox-inc.com/library/deaflympics/

(別に聴覚障がいや精神障がいを差別しているわけではありません。いろいろ歴史があるんです。少なくとも聴覚障がいは自らの意思でIPCから離れたみたいです)

 

10種類って以外ですよね。日本の身体障害者手帳では音声・言語・咀嚼の障害と内部障害も含まれます。

ちなみに、上記の10障がいのうち、Short Stature(低身長)については日本では障害に含まれません。(757年の養老律令には侏儒の記載があったようですが。)

手帳が発行されないため、「障がい者ではない」と思っている方もいると思いますが、陸上や水泳、バドミントンに参加できるチャンスがありますので、ぜひお近くに身体能力の高そうな方がいれば競技団体へ連絡を!

 

というわけで、クラス分けを知ればますますパラスポーツが楽しくなると思います!

IPCやClassification Codeについては引き続きお伝えしていきます。

ではまた。

国際クラシファイヤーへの道

世界選手権の後、横浜でリーグ戦があったり、車椅子バスケやボッチャの世界選手権があったり、動画を観るので忙しく更新してませんでした。

10月からはアジアパラ競技大会も開催されます。ホント忙しい。

ウィルチェアーラグビー は(なぜか)アジアパラ競技大会には入ってないのでひと休み。車椅子バスケを楽しみます。

 

さて、国際クラシファイヤーとして歩みを始めましたが、国際大会のクラシファイヤー(クラス分け委員)ってどういう風に選ばれるか、どこにも書いていません。

ウィルチェアーラグビー の場合、国際クラシファイヤーになると、国際ウィルチェアーラグビー 連盟のメーリングリストに入れてもらえます(もちろん英語)

そこで、ヨーロッパやアメリカ、アジアでの国際大会の情報や、クラス分けルールについての情報などが共有されます。

「こういう大会があるけど、誰か行ける人〜?」

って感じで募集がかかり、日程が合えば応募する、っていう感じです。

現在、僕もある国際大会への応募を考えています。国際クラシファイヤーでびゅー。

しかし、6人選ばれるうち、内訳が(レベル4:4人、レベル3:1人、レベル2:1人)ということが多いので、レベル2が選ばれる確率はとても低そう。積極的な応募が必要そうです。

 

But‼︎

 

募集が遅い!だいたい募集が来るのが2ヶ月前。

国際連盟のホームページに「ラグビーカレンダー」っていうのがあるくせに、そのカレンダーに載ってない大会の募集ばっかり来る!

 

サラリーマンにとってはとても厳しい。

2ヶ月前って、場合によっては次シフトです、休みの希望間に合いません。。。

大会はだいたい7〜8日間、そもそもそんなに休みを取るのも難しい。

今後、クラス分け委員を希望される方は、

時間の融通が利く職場探し

が重要かもしれません。(そんな職場、日本にあるかな?)

 

流石に日程が分からないと年間スケジュールも何も立てられないので、調べられることは調べます。

来年アメリカ大陸で開催予定なのが、パラ・パンアメリカン競技大会。

場所はペルー・リマです。

期間は2019年8月23日〜9月1日。

そこでウィルチェアーラグビーアメリカゾーン選手権が開催されるはず。

そこのクラス分けパネルへの参加を狙ってます。ペルー行ってみたいだけ

Juegos Panamericanos y Parapanamericanos - Lima 2019

パラパンアメリカンのホームページ。

FacebookTwitterもあります。(こっちで情報拾った方が早いかも)

https://www.facebook.com/lima2019juegos

twitter.com

他の競技も開催されるので、ウィルチェアーラグビー 以外の競技に関わりたい方もスケジュールは要チェックです。

情報を集める力って大事ですね、さすがインターネット社会。