理学療法士のパラスポブログ

障がい者スポーツを通してより良い社会の実現を!理学療法士に何ができるか考えます。理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/クラシファイヤー

コ・イノベーション研究所セミナー「共生社会×スポーツ×障害者の社会参加」

本日、東京国際フォーラムで開催されたコ・イノベーション研究所主催のセミナーに参加してきました。

COIL | コ・イノベーション研究所 | COILセミナーVOL.13『共生社会×スポーツ×障害者の社会参加』を開催します

テーマは「共生社会×スポーツ×障害者の社会参加」ということで、ドイツからホルスト・ストローケンデル博士にお越しいただきました。

ストローケンデル博士は「障がい者スポーツの父」と呼ばれる障がい者スポーツ界のレジェンド!先月の義肢装具士の臼井さんに引き続き、とても貴重な機会を得ることができました。

ストローケンデル博士の話はまた後日まとめるとして、今日は研究所の代表理事の橋本大佑さんを始め、いろんな方々にお会いすることができました。

 

セミナーの冒頭で橋本さんから「群盲象を評す」の話がありました。

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https://ja.m.wikipedia.org/wiki/群盲象を評す

詳しくはウィキペディアを見ていただくとして、つまりは

『物事や人物の一部、ないしは一面だけを理解して、すべて理解したと錯覚してしまう』

ということです。

 

橋本さんの話に出てきましたが、いわゆる「障がい者スポーツ」っていうと定義がはっきりしません。障がい者がやるスポーツなのか、障がい者“も“やるスポーツなのか。それともスポーツそのものを指すのか、そういう行動のことなのか。曖昧。

そして、障がい者スポーツに関わる人もいろいろいる。

 

確かにいろんな人に出会います。

競技力向上に尽力している人、普及に力を入れている人、熱い想いがある人、ただなんとなく興味がある人…

それぞれが障がい者やスポーツなどと関わってきた経験があり、体験があります。それには感情も伴います。

 

今日のセミナーや懇親会を通して、改めて、その一つひとつ、一人ひとりが正解でもなく、間違ってるわけでもないんだなーって感じました。みんな一生懸命で素敵だなって。

人の話を聞いていると、不安になったり、心配してしまうこともありますが、今は自分がやれることをしっかりやろう。どっちみち、良くも悪くもそれは象の一部でしかない。

 

だがしかし!ストローケンデル博士はめちゃくちゃ熱くて、想いがひしひしと伝わってくるセミナーでした!某国の現状にはかなり批判的でしたし笑

80分の予定が100分、そしてまだまだ喋り足らなそうでした!

 

関東に戻ってきて一番参加したかったのがコ・イノベーション研究所のセミナー!

仕事や育児の都合でなかなか参加できませんでしたが、今回は本当に参加して良かった!

ストローケンデル博士、橋本さん、スタッフの皆様、ありがとうございました。

 

 

 

考える障害者

"車いすの芸人"ホーキング青山さんが書いた「考える障害者」という本を読みました。 

考える障害者 (新潮新書)

考える障害者 (新潮新書)

 

普段、テレビも見ませんし、ラジオも聞かなくなったので、有名な人なのかどうかもわかりませんが、youtubeチャンネルもあるようです。 


『週刊 ホーキング青山』2/13「ホーキング青山がパラリンピックを見ないワケ&小学校でアルマーニを制服にするのをやめさせる奇策!?」

 

この本は車いす芸人であるホーキング青山さんが、世間の障がい者の見方やパラリンピック乙武洋匡さんのこと、やまゆり園事件等々について”当事者側の意見として”言いたいことを言っているっていう内容です。

とにかく

「同じ人間として扱ってほしい」

という主張が伝わってきます。

「障害者も普通の人間だ」と言えば、多くの人が「そうでしょうね」と答えるだろう。でも、それが実は当たり前にはなっていない。そこが問題なのだ。 

障害者を差別・区別しないっていうのは頭では分かってても、具体的な行動に移すって結構難しい。心のどこかにバリアがあるんでしょうね。

僕は町で車いすユーザーの方を見かけると、

「あの人はウィルチェアーラグビーできるかな?3.5点かな?いや、4.0(出場資格なし)になっちゃうかな?」

「他のスポーツだったら何ができるかな?」

っていう視点で見てしまいます。片麻痺の方だったら「もう少し装具を調整すれば効率良く歩けるんじゃないかな?」って。

健常男性を見て「あの人は何のスポーツができるかな?」なんてことは考えないわけで、ある意味で差別していると言えば差別していることになってしまうんでしょう。

 

でも、そもそも目の前にあるもの・ことをバイアスをかけずにあるがままに見るってこと自体かなり難しいように思えますし、考えれば考えるほど分からなくなってしまいます。

とにかくそんなことを考えるきっかけを作ってくれた本でしたー。

ボッチャ体験会

私が働いている職場では毎月障がい者スポーツに関する勉強会を行っています。

近くに同じ想いを持つ仲間がいるって本当に有難い!

 

今日はその勉強会でボッチャの体験会が行われました。

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見事個人戦は優勝しました(6人中)!笑

 

ボッチャはある程度障害の有無を問わず誰でも楽しめるスポーツです。

今後は障がい者だけでなく健常者の大会も開催される等裾野は広がっていきます。

 

応援やサポートもスポーツの楽しみ方の一つですが、自分がプレーするのもやっぱり良いですね!

ボッチャの大会出たいなー。

 

カーリング3D

そだねージャパン、惜しかった!

カーリングってこんなに面白い競技なんだ!って改めて感じる試合でした。

 

うちにはテレビがありませんが、アプリでLIVEが観れるなんて便利な時代です。

NHK ピョンチャン 2018

NHK ピョンチャン 2018

  • NHK (Japan Broadcasting Corporation)
  • スポーツ
  • 無料



地上波はこちら。

gorin.jp

gorin.jp

  • PRESENTCAST INC.
  • スポーツ
  • 無料

 

カーリング面白そうだけど、カーリング場まで行くのは…っていう方はアプリでどうぞ。

Curling3D lite

Curling3D lite

  • MaxNick
  • ゲーム
  • 無料

このゲーム、無料だからって舐めてたら結構難しい!というかカーリングの攻め方、守り方が全然分からないから勝てない!苦笑

 

 

パラスポーツに関わるには?

連日、職場ではオリンピックの話しかしてない気がしていますが、平昌パラリンピックまであと3週間を切りました。

パラリンピックへの関心が高まる中、「障がい者スポーツに関わりたいです」とお声をかけていただくことも増えました。中級指導員を取りたいと思ってる理学療法士の方々にも多く訪問していただいてるかと思います。じゃあ、どうやったらパラスポーツ/障がい者スポーツへ関われるのか?

 

今度の平昌パラリンピックでは6種目が開催されます。

東京パラリンピックでは22種目。

これら以外にも、電動車椅子サッカーや脳性麻痺7人制サッカー、ゴルフ、ダンス、セーリングなどがパラスポーツとして挙げられます。

パラスポーツに関わりたいなら、そのどれかの競技と関われば良いんです。

一番大事なのは行動すること。

「今ある選択肢の中でどれができるかな、まずやろう」みたいなほうがいいのです

と著書の中で落合陽一さんは言っています。

 

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

もともと〇〇の競技をやっていた、知り合いがチームに関わっている、近所で練習している…などなどきっかけはいろいろあると思います。そういった自分が持てる選択肢の中からできそうなことからまずやってみれば良い。ボランティアだっていろんなところで募集しているし、地域で活動しているチームは結構いっぱいある。理学療法士としてにこだわらず、チームスタッフとして、クラシファイヤーとして、審判として、あなたにできることはいっぱいあります。

とにかく行動してみるしかない。

そこでやってる人と会って話してみないと何も分からないし、自分がどう感じるかも分からない。

 

僕はそうやって知的障がい者サッカーやウィルチェアーラグビーと出会ってきました。

 

受け入れるチームや団体からすれば、どこの馬の骨かも分からない人に突然来られたら困るかもしれませんが、人を選べばいいし、人から選ばれるように振る舞うべき。

 

とにかく僕は2020年を過ぎると忘れ去られてしまうようなしょうもない風潮をどうにかしたい。そのためにもいろんな人、特に若い理学療法士さんにはもっとパラスポーツに関わってほしい!

きっかけづくりなら今が一番のチャンスです!

 

近くのチームの検索はこちらで!

チーム検索 - マイパラ!Find my Parasport

車いすカーリング

連日平昌オリンピックの話題で盛り上がってますね!

自分としても高梨沙羅さんがメダル獲ったあたりからオリンピック熱が高まってきました!笑

 


【NHK】「作戦会議の女子会に参加した気分が味わえる!?」と話題のカーリング 3連勝!<ピョンチャン>

見ていて一番やりたくなるのは「カーリング」です。

ホント面白そう!

 

3月9日からは平昌パラリンピックの始まりますし、カーリングパラリンピック種目でもあります。カーリングなら障がいの有無を問わず一緒に楽しめそう。

一般社団法人 日本車いすカーリング協会

気になったので、車いすカーリングのクラス分けについても調べてみました。

www.worldcurling.org

ここでダウンロードできます。

今のところ、持ち点制とかではなく、「参加資格があるかないか」を判断するようです。

対象者は車いすを日常的に使用している人で、主な疾患としては脊髄損傷、ポリオ、切断(両足関節以上)、脳性まひ、多系統萎縮症が挙げられており、筋力や筋緊張、協調性などをテストするようです。

結果に応じて、参加資格あり(WC-E)、参加資格なし(WC-NE)のクラスに分けられます。

比較的いろいろな障がいを持った方でも一緒に参加できそうです。

 

問題はカーリング場ですが、調べてみると結構あるんですね。

カーリング施設 - 公益社団法人 日本カーリング協会

車いすで使用できるかどうかは分かりませんが…)

 

今度体験会に行ってみようかな。

オリンピック、パラリンピックともにカーリングには注目です!

 

鉄道弘済会義肢装具サポートセンター

今日は講師である臼井先生の勤務先である鉄道弘済会義肢装具サポートセンターについて。

» 義肢装具サポートセンター|義肢装具サポートセンター

義肢装具サポートセンターでは臼井さんのような義肢装具士が30名、理学療法士が3名在籍しており、医師・看護師とともに義肢装具の作製やリハビリテーションを行っています。

 

さて、この義肢装具サポートセンターですが、もともとは旧国鉄キヨスクの売り上げを元に、労災(鉄道関係)で腕や足を失った人へ義肢や義手を作るようになったのがきっかけで東京義肢製作所として始まったということでした。

 

そのキヨスクは、1932年に鉄道事故などで働き手を失った遺族(妻)に仕事を与えるために東京駅構内で売店を開いたことで始まったそうです。

 

東京義肢製作所が始まったのが1944年、もう70年以上前!

半世紀以上も前から、義肢装具を作り続けている、本当に歴史のある施設なんですね。

そういう支援体制があったのも知りませんでした。

 

今は労災事故自体が減っているため、切断に至る原因は糖尿病や腫瘍が多くを占めているそうです。

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厚生労働省ホームページより)

 

臼井さんもスポーツ選手ばかり診ているわけではなく(そんなイメージが強いですが、、、)、おそらく日々の臨床業務は高齢者を相手にすることが多いのでしょう。理学療法士と一緒ですね。

 

最近は海外(中国、ロシア)からの来訪も多く、他院からの紹介で義足の作製・リハビリテーションを行うことも多いようです。

 

そういえば、駅で見かけるのはキヨスクではなくNEW DAYSばっかりのような気がします。今はさすがにキヨスクの売り上げが義肢装具サポートセンターへ、というわけではないと思いますけど、見かけたらなるべくキヨスクで買い物しようと思います笑